ちなみに今回参考にさせていただいた本は、Jordan の
Designing Pleasurable Products という本です。
この本の中でJordanは商品などに対する4つのPleasure (喜び)と言うものをTiger という人の先行研究を使いまとめました。
原文のまま引用させていただくと以下の通りです。(日本語約は後ろに載せます)
Physio-Pleasure
- this is to do with the body and with pleasures derived from the sensory organs
- in the context of products, physio-pleasure would cover, for example, tactile and olfactory properties
Socio-pleasure
- This is the enjoyment derived from relationships with others
- this might mean relationships with friends and loved ones
- However, it might also include a person's relationship with society as a whole
- issues such as status and image may play a role here
- Products can facilitate social interaction in a number of ways
- special piece of jewelery may attract comment, as an unusually styled television set
Psycho-pleasure
- Psycho-pleasure pertains to people's cognitive and emotional reactions
- in the case of products, this might include issues relating to the cognitive demands of using the product and the emotional reactions
Ideo-pleasure
- ideo-pleasure pertains(つきものである、関連する) people's value
- in the context of products it would relate to, for example, the aesthetics of a product, and the values that a product embodies.
- for example, product made from bio-degradable materials might be seen as embodying the value of environmental responsibility
- this then, would be a potential source of ideo-pleasure to those who are particularly concerned about environmental issues
つまりどのようなものかというと
Physio-Pleasure
5感などの感覚器官を用いて感じる事の出来る喜び。
商品のレベルに発展させるならば触覚や嗅覚などのに付随するものです
とつまり感覚的な、 wright と maccarthyのフレームワークでいうところの Sensual thread に似たものでしょうか。ただ以前僕らの研究室ではSensual thread っておそらくNorman の情報処理のVicseral Level と同じように怒りとかの低次の感情とかも含まれてるよねって話になったのでにてはいるものの若干違うかもしれないです。
ここでは例えば持った感じが気持ちいい、とか肌触りが気持ちいいとかはおそらくここでしょう。
Socio-pleasure
「他人との関係によって生み出される喜びです。これは友達や恋人も含み、また社会的な関係性も示します。例えばステータスやイメージ等です
例えば特殊な宝石等は注目を集め、普通でないテレビセットも話の的となるでしょう」
と文中にはあるのですがたとえばエモーショナルデザインとかに出てきたスタルクのレモン絞り器
ノーマンはこれをカンバセーションスターターだ、と言ったけどもこれらが満たされたときはこの、Socio-pleasure が満たされていると考えて良いのでしょう。
Psycho-pleasure
「これは人の認知や感情に関するリアクションの事です。商品のレベルで考えるならば、商品の使い方の把握や感情の引き起こしなどを含む事柄に関連するでしょう」
これはNorman の情報処理プロセスで言うところのBehaviour とReflective に当たるのかな、と個人的には考えているのですがおそらくReflective のみと言う人もいそうかな・・・
かっこよかったり使いやすかったり楽しかったり使い勝手が良いことに関わる喜びは個々じゃないかな。こんな革新的なリモコンとかある意味例かもしれないなーー。一応これ、リモコンです。(参照元)
- the phone has useful functions
- the phone is easy to use
- the phone is fun to use
Ideo-pleasure
これは最も難しい。
訳を出すならば 「人の評価に関連した喜び、例えば地球に優しそうな素材でできた商品は、環境に対しての責任というものを含んでいる。環境について問題意識を持っている人にとってはこれは、ideo-pleasure の源になるかもしれない。」
とか書いてあるけれどももう少し読み進めてみるとこんな記述もある
Ideo-charactaristics
- Personal ideorogy
- personal ideologies may have an influence on the sorts of aesthetics that people appreciate in products
- Religious beliefs
- A person's religious beliefs or lack of beliefs are also a part of their ideology
- Social ideology
- This category refers to people's beliefs about the way in which society should conduct itself and the way in which they should interact with others in society
- Aspirations
- the cluster of characteristics may have considerable overlap with the characteristics within the "social self-image" cluster
- the essential difference is that the characteristics in this cluster are about how people wish to see themselves, not necessarily about how they would wish others to see them
- a person's aspirations may have a significant influence on which aesthetics he or she prefers.
個人的にまとめると
- Ideology (政治•道徳•宗教•哲学•芸術などにおける、歴史的、社会的立場に制約された考え方、もっと柔らかく言うなら思想傾向) に基づいたpleasure
- SONY の見るからにtechnology 感を出しているコンポの商品が例で出ていることから分かるように、思考傾向に基づいた喜び、くらいで良いと思う。
- その思考傾向ってのを形成するのは宗教とか社会とかあとは個人的な哲学的なものが影響するけども、ようは自分の中で大事にしているものとフィット しているときの喜びであると考えられる。まぁ自分自身に対して気持ちよく感じる事の出来るもの。たとえばエコを気にしている人であればエコな商品を持つ事でなにかしらの喜びを感じる、など
それらは芸術的な観点も含むので例えば時計の好みとかに出たりもするのかなーーなんて自分では思ったり。。。
あとは例にも出ていたようなエコ的な商品だったり、機械機械している商品だったりむしろ家具に溶け込む商品だったり・・・
この4つのPleasure が、Jordan の提唱するフレームワークです。
Wright and Maccarthy のようにUXのフレームワークだ、とは言っていない(たぶん)ものの
UX を考える上では非常に大事な要素となってくるこの4つのPleasure
拙い内容ではありますが個人的な観点も踏まえつつまとめさせていただきました。
読んでいただきありがとうございます^^
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Ideo-pleasureとpsyco-pleasureの違いが難しいですね。プロダクトから得られる心理的、認知的リアクションという意味ではどちらも含まれますよね。Psyco-pleasureをぐーっと社会的なものに引き延ばして行くとIdeo-pleasureと重なって行くイメージでいいのかな…。UX男子の次の記事期待してます。
返信削除どちらも含まれていますね。ただ
返信削除http://k-n-log.blogspot.com/2011/11/norman.html
で記載したのですが、Psyco-pleasure はNorman の言うBehavioral level, Ideo-Pleasure はReflective Level という認識をしている人もいるそうです。
引き起こされた感情が自分の理念、道徳、価値観などにそぐう時の楽しさがIdeo なのに対し、Psyco はもう少し単純な、うれしいとか簡単、とかも含みますし楽しいとかも含むのではないかなーと思います。Ideoは少しだけ、高次の感情だと認識しています。