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2012/09/29

理解させるデザインと感じ取らせるデザイン 〜混乱してはいけない「アフォーダンスの概念」と「理解のしやすさ」〜


先ほど ”良いデザインの必要条件「なるほどファクター」”という記事の以下の文章を見て、アフォーダンスの概念について思い出したと同時に、それについて考えた時になんとなく違和感があったので忘れないように記載します。(※ 自分のアフォーダンスに対する解釈に違和感があっただけで、なるほどファクターの記事自体に違和感があるわけではないです。)多分アフォーダンスについて詳しく知りたい、とか分かりやすさについて考えたい!とか考えているヒトには考える切っ掛けになる記事かもしれないとは思うのですが、結構マニアックな記事なので退屈かもと思います。
素晴らしいデザインとはつまり、消費者が考えることなく一目見ただけでツマミやボタンの使い方がわかるものなのだと。なるほど、このツマミは音量アップ、でなければホームスクリーンの表示、といったように。

2012/08/11

データじゃ見えないヒトのココロ

今こんなこと思っている、ってのを将来的に見返せるための備忘録的なものを残したいと思います



なぜ今新しいモノを作るときに定性的な分析が必要なのか?



「今のご時世、どんなデータでも取ろうと思えば取ることが出きる。そこから分析を行うことと、定性的にインタビューなり観察なりをしていく事の何が違うのか?どんな違う良いポイントを得ることが出きるのか」
 ってこの間聞かれました。なにいってんだ?と思いつつも、その違いを言葉で説明するのは相当難しいことでした。
例で言えば、自販機でジュースを買う人を観察し続けて、時計を自販機の上に置くというソリューションで自動販売機の売上を上げたIDEOの例(結局デザイン思考ってなに!? 〜もう一度考えなおしてみる〜参照)とか 運動会で反時計周りに走ることに注目して左右非対称に作られた俊足という靴の例とか、スーパーで買物をしているときに小さいこどもが親の真似をしたがることに着目して小さな子供用のかごを用意して売上を上げた話などいろいろあるのですが、それも結局アイデア勝負じゃない?みたいに言われるとぐぬぬ、ってなってしまって。

結論から言うと、以下の点で定性的な分析は、定量的なものよりも優れていると思います
  1. 「目的、モノ、モノが使われるシチュエーション」をいっぺんに把握できることで、モノの使われるシナリオ、ストーリーを考えやすい
  2. なぜそのような行動をとったか、取るのか、などの情報を、データよりも深掘りできる
  3. 切り口を見つけ出す段階でのインスピレーションが多い

例えばとてつもなく単純な例を出します。以下のようなアンケート結果があったとしましょう。一応、定量的なデータです。

レストランに行く時にどんなひとと最もよく行く?:
39% 恋人
25% 友人(3〜4人)
12% 家族
8% 友人(1〜2人)
7% 一人
9% その他

一番好きな夜ご飯は?:
33% 寿司
28% 焼肉
・・・・

(競合とかシカトするとして)じゃぁ恋人といけるような、お寿司屋さんを作ろう、ってなるのは、若干おかしなロジックですよね。いいかもしれないですが、恋人と一緒にレストランに行く人が、自分の一番好きな夜ご飯を食べに行く、なんてデータは無いわけですから。
例えばターゲットを恋人と一緒に行く人とするならば、その人がどんな時に何を意思決定の基準にしているかを見る必要もあります。何を目的にそのレストランに入っているのかも知る必要がありますね。店の雰囲気なり、待ち時間なり、味、値段、今勝手に思いつくのはこういう系ですが、もしかしたらもっとマニアックなことをケアしているかもしれません。さらにもっと色々なシチュエーションや、ユーザの特性によっても変わってきます。アクティブなカップルならばもっとBBQ的なレストランのほうが好むかもしれませんし、エレガントな人たちならフランス料理などを好むかもしれません。子供連れなら待ち時間のデザインも必要ですし、、、というようなレベルの話は、質問項目よりも1段階深まった話だと思います。深まったといえど私の頭で少し考えて出た例なので、確実にこれよりも深い切り口は出てくるはずです。

もちろんそういう切り口的なモノを含めたアンケートをはじめから作れれば良いのですが。それは難しいですしアンケート結果もどれだけ信用できるか分かりません。「赤信号はわたってはいけない」と答える人でも赤信号を渡ることはあきらかです。また現段階で、頭の良い人が自分の頭で考えれば、思考はほぼ同じ方向や似たような方向性に傾きます。そんななかで同じ土台から新しいものを、良い物を、となっても限界がありそうです

定量的なデータは確かに信頼性があり、不確実性が低いです。しかし我々が住んでいる世の中は不確実性の高い世の中なのですから、不確実性も受け入れなくてはいけません。
その不確実さをすこしでも確実っぽい方向に導いてくれるものが、プロトタイプなどを用いたユーザの行動や心理などの分析だと考えています

プロトタイプから見えてくるモノ

結局アイデア勝負じゃない?ってのの疑問には正直「そうだね」としか言えません。ただそのアイデアに対するRequirement というか、アイデアをどんな土台に載せるか、ってのは固定しすぎてもダメですが、可能性のある土台を見つけ出す作業をしない手はありません。その土台を見つけるのは、定量的でも定性的でも良いのですが、定量的だとみんな同じようなこと考えてしまいそう、ってのが僕の立ち位置です。今開いている土台を探すとすれば、定性的な分析から、もしくは今まで同様革新的な技術からだと思います。

プロトタイプってのは何時まで経っても大事で、昔プロトタイプは状況に応じて時にラフに、時に詳細にとかでも書いたようにプロトタイプってのは大事です。そしてそれを観察して、またその都度話しなどをして(思考発話法、think aloud)、そのあとでビデオ見返して、とかいろいろあるけど、それはユーザを理解する 〜Needfinding という魔法の言葉の裏〜の中で出てくる図の中に、そのメリットの1つが入っています。

横軸を行動、心理、でわけます。そして縦軸を意識、無意識、で分けると、インタビュー、つまり会話などから分かる部分はでくくられた部分行動観察から見える部分はオレンジの部分。そしてそれのどちらにもかぶっていないの部分は、インタビューと観察を同時に行うことで見ることが出来ます。
(意識している、していないは集合を網羅している感ありますが、行動と心理以外にヒトの要因があるのは突っ込みどころの1つですが、だいたいこんな感じだと思います。 )

次に出てくる議題は、「意識していない心理的な部分に、どれだけの価値があるのか?」という話になってくるんですが、これは正直わかりません。
ただこれに関しては無意識な部分であるし、人の心理であるので、自分で考えているだけではあんまり出てこない切り口だと思うんですよね。

アイデアを何かの土台に乗せる、っていう表現がどのくらい伝わるかわからないのですが、この土台は、着目するのが難しいが故に誰も気にしたことのなかった、金の掘れる土地かもしれないですね。もちろん、違うかもしれませんけど・・・

また尻窄みな記事ですいません

2012/06/23

イノベーティブなモノと良いUXを与えるモノって違うのかってお話


デザイン思考とかをかじって、その魔法にかかれば自分もイノベーティブなものを作れるようになると思っていた。ただもしかしたら自分は、「良いUXを提供する事」と「イノベーティブなモノを作ること」をごっちゃにしていたんじゃないかってお話をとりあえず記事にしようと思います。



2012/06/19

Badなデザイン10選


世の中にはいくつもの「いいデザイン」ってのがあって。

同時に「悪いデザイン」ってのもある。



いろんな人が「デザイン」を≒「おしゃれ」と捉えている中で、世の中にはもっと大きな枠組で「デザイン」を捉えている人達がいる。

そんな人達に[The Worst Design] (もっとも良くないデザイン)の断片について尋ねた質問の中から、いくつか個人的にも面白いと思ったモノを10個ほど抜粋して紹介していきたいと思います。悪いデザインを含む物、そしてその理由について説明していきたいと思います。
紹介する順番は適当です。。。

2012/04/03

エクスペリエンスデザインは可能か


前回のイノベーション始めました。(と言いたい) 〜イノベーションの始め方〜結局デザイン思考ってなに!? 〜もう一度考えなおしてみる〜では沢山のアクセスやツイートなどをいただきました。嬉しかったです。こうなると記事のハードルが上がってしまう気がするのではじめに言っておくと今回はアカデミックな分野の話が多いので結構退屈で何が言いたいのかも分からないような記事です。「定義」とか綿密な議論が好きな方には好まれるのかもしれないですが・・・とりあえず考えたことは書くことにしているので、許してくださいw 特に有用な情報は載っていません。 そしてごちゃごちゃです><
※長いので一番下に3行でまとめておきましたw

アカデミックで言われている ユーザーエクスペリエンス

アカデミックな分野でエクスペリエンスを語る際、Mark Hassenzahl と Noam Tractinsky はおそらく外せない。 特にHassenzahl の作った質問紙* (Attracdif 2 のような名前だったと思います...) はUX の分野でかなり重宝されています。
Tractinsky も2000年の論文で What is beautiful is usable (美しいものは使いやすい) という論文をヒットさせた、これまた有名な人。(この論文に関しては日本のUsability 界で有名なKurosu さんの論文を元に作られているのではあるのですが・・・)



そんな二人が共同で書いた論文、去年に読んだんですけど、その中のセンテンスが忘れられなかったので書いておきます。訳は下です。

2012/01/19

Intrinsic Motivation と Extrinsic Motivation


こんばんは。就活生です。いやぁ・・・どこか内定くれるかなーー笑

今日のトピックはMotivationです。UX 系のまとめとしての記事の一貫なのですが、この話が重要というか切り口の一つになりそうなので記載します。


この記事を書くMOTIVATION

Hassenzahl(学術的にUX を語る上で書かせない人の一人) の最近の論文では人のNeeds について若干まとめていて、その中にMotivation の話も書いてありました。そもそもHassenzahlがこれを言い出した始まりは別の論文のGoal とかの設定の話だったのですよね・・・そこでは2つのgoal について述べていました。これが後ほど述べるIntrinsic とExtrinsic って話とほぼ一致するんです。

さらにさらに、Wright and Macarthy の最近(?)の本 "Technology and Experience" の中にも"Intrinsic Experience" と "Extrinsic Motivation" という話について触れられていたのです。

そして僕は確信したのです。UX を語る上で Intrinsic と Extrinsic は不可欠であると。
そしてそれについて調べているうちにこのMotivation に行き着いたのです。

2つの大きなMOTIVATION

2011/12/30

Beyond Usability とは言うけれど


Usability と UX

今UX に関する論文などをあさっていて、いろーんな論文を読んでる。とはいうものの最近就活であんまり読んでいないけど。



UX、つまりユーザーエクスペリエンスを Beyond Usability と位置づける人が居る。
Marc Hassenzahl, Noam Tractinsky(2006) とかはむしろBeyond instrumental という要素について言及しているだけだけども。

2011/11/20

Product Personality という概念 by Patrick W. Jordan (2002)


前回Product Personality と言う概念と愛着 (Goves, Mugge, 2004)というポストの中でプロダクトパーソナリティというものをJordan も言っていた!と書いたのでそれについて探ってみる事に。。。

どうやらJordan が始めに言ったのは1997 年のContemporary Ergonomicsとか言う本?雑誌?らしいのですが手元になかったので

Pleasure With Products: Beyond Usability (Contemporary Trends Institute)
って2002年の本から見る事にしました。

このPleasure with products という本の中でJordan はまるまる1章をthe Personality of Products という話に使っています。

2011/11/19

Product Personality と言う概念と愛着 (Goves, Mugge, 2004)


"I love my jeep, because it's tough like me", the effect of product-personality congruence on product attachment

という論文が面白かったので紹介。まぁ若干手法や話しのもって行き方に無理はあったけども聞く内容が自分としては新しかったのでまとめておきます。






ちょっといきなり出してしまった写真は僕が小さい頃から持っているカラスのぬいぐるみ?というかよく分からない物。なんとなーーく愛着があります。今日はそんな愛着のお話。

2011/11/15

Norman の3つの情報処理プロセス


UX 男子を目指すにあたって、、、Norman の話は触れておかなければ行けないでしょう。

ノーマンは我々の情報処理のプロセスには以下の3つのレベルがあると言いました。

2011/11/11

Patrick W. Jordan の 4つの Pleasure

Jordan の言う4つのPleasure の観点からUX を考える

ちなみに今回参考にさせていただいた本は、Jordan の

Designing Pleasurable Products という本です。

 

この本の中でJordanは商品などに対する4つのPleasure (喜び)と言うものをTiger という人の先行研究を使いまとめました。

原文のまま引用させていただくと以下の通りです。(日本語約は後ろに載せます) 

2011/10/22

経験の要素と経験の階層


今後UX に様々なユーザーエクスペリエンスについての初見を貯めていく予定です。

この間KBC さんにお世話になった際に、Ziba Tokyo の平田様 のお話を聞くことがあった。

その時平田様は経験の要素として以下の4つを上げていた

経験の要素
  • 楽しむ Entertain
  • 教育 Educate
  • 触発 Inspire
  • 関与 Involve

そして経験の階層として

  • 緊張興奮 Suspense
  • 驚き Surprise
  • わかりやすさ Simplify
  • 満足 Satisfy
と言うものを上げていた。

経験の要素とはまた面白い。そゆ論文はまだ読んだことないかな。経験が感情からなるものだ!みたいなことを言っている論文を参照している論文は読んだけれど・・・

経験の階層、という物もオモシロイと思った。
ただ満足の上にわかりやすさが来るというのはちょっと疑問だけども、たしかにわかりやすさの上に驚きが来るのは面白い。そしてお化け屋敷とかでいうと緊張とか興奮とか驚きを超えてあるよなー。。。すこしネガティブなものも入っているのかな??高齢者がコンピュータを使うときの感覚は、一番上なのかな。

さっきわかりやすさが満足の上に来るのが変な感じする、といったのはUsability家の思うところなのだろうかね。。。

まぁでも確かに満足、の意味を機能的な意味と捉えるとそうだな。basic なニードを満たすことでそれは満足につながる。そしてそれをさらに分かりやすくつくっていく。

経験の階層というよりはDesigner 側が狙っていく階層のように捉えられるのかもしれないなー。

こういう実践にいる人達は、学問の少し先を行っている人かもしれないと思ってる。特にDesign とかの分野では。これに共感できるようになったら面白いんだろうなーー

読んでいただきありがとうございます^^
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2011/10/21

ユーザーエクスペリエンスの次を考える


現在よく言われるキーワード。それはユーザーエクスペリエンス。よくUXなんて言われますよね。今必死こいて色んな論文などを読みあさってUXについて語れる男になろうとしているのですよ。

ただそういう本、論文を読んでいて若干思った事があるので、また一学生の分際でちょっと記事書こうと思います。



ユーザーエクスペリエンスとはなにか
まずそもそもUser Experience とは何か??Wikipedia を見るとUser experience の定義は

ISO 9241-221 defines user experience as "a person's perceptions and responses that result from the use or anticipated use of a product, system or service".
とあります。
つまりISO は「プロダクトやシステム、サービスを使う、もしくはそれらを使う事を予想した際の結果起こる人々が感じる事、もしくは反応する事」と言っている(と思われる)。

現在様々な企業がこれらを考え、Designing Experience しようとしています。


自分自身87年生まれなので昔は、などというのは恐れ多い事なのですが、そもそも昔は全く別の考え方だったと思うのです。

「商品として、良いものを作ろう。 」
「いろんな新しい機能を持ったモノを作ろう」

そして世の中は機能バブルとでも言える時代に入りました。おそらく1990年代くらい 。

そして世の中にユーザビリティ、すなわちモノを使いやすいように設計しよう、という試みが取り入れられました。

それは商品のインターフェイス(ユーザが見ることの出来る、ふれあう事の出来る部分) などを考える事によって商品をよりよいものにしよう、という試み。

そして次にDesign Thinking に見られるような、商品の機能、もしくは商品のデザインを出来る限りユーザのニーズに関連するものにしよう、という試みがされてきています。

それらはオーバーラップするしかぶる部分もあるけども、デザイン思考等と同時にユーザーエクスペリエンスという概念も、現在着目されてもいます。

次世代のコンセプト

それでは次の世代に来るものはなんでしょう??
もしかしたら先ほど述べてきた路線でもう少しあるのかもしれないのですが、個人的に次の世代は

「おもてなし」

の用なものだと思っているんです。

例えば高級レストランに行く時、我々は正装をしたりします。
お茶等をする時には礼儀をわきまえたりします。

おもてなし、とはそれらの相互作用によって成り立つものであり、お互いに敬意をもってこそ生まれるものである。だが今は商品のレベルへは落とし込めていないと言えると考えています。

なぜなら今考えられている事は、いかに「商品側を変える事によって」ユーザーにとって良いものを作るかであるからなんです。今の商品開発の目的は
「ユーザの望む(であろう)ものを自社の強みを用いてユーザに悪い感情経験を与えないだけでなく良い感情経験を与えられるような商品を作り、ビジネスにする事」
であると思うんですよね。
だからユーザ側のリスペクトと言えばせいぜい高いお金を払ったから大事に使おう。誰々から貰ったから、大事に使おう程度なものなんですよね。

料亭など行った事ないですが、スゴい気の利く女将さんのいる旅館などを想像すると良いかもしれないです。何か自分の中で気持ちよく、心地よい感情経験を体験している。それは松屋のそれとは違う。何か自分なりにも準備して、そこに行きます。そして出来る限りの礼を尽くす。それによって非日常的な良い経験というものが生まれてくるのです。

若干個人的に近いかもしれないと思うのはiPhone。若干商品をrespect して商品を使っている人もいそうだからです。

ただおもてなしは、「心と心」の通じ合い。商品に「心」を持たせる事は難しいかもしれない。でも昔の偉人ソクラテスはこういいました(たしかソクラテスw)

友情とは2つの肉体に宿る1つの魂である

と。

商品と人との間に、魂が宿る事もあります。長年使い続けた小物など、普通のそれとはもはや違います。魂、他の言葉で言うなら僕は「場」と呼びます。
おもてなしを生むものも個人的な意見としては「場」 だと思っています。

その場ですら作り出してしまうような商品、それが今後の商品の発展系だと考えているのです。
ただ難しい所は女将さんはおそらく僕らの行動を変えようなんて思っていない所ですよね。「人事を尽くして天命を待つ」ではないですが、商品に最前の努力をつぎ込めばユーザ側の態度も変わってくるという事でしょうか?

ただ完璧な商品、と良い商品ってのも違いますよね。便利なものに行き着いて今自分はiPod を使っています。昔よく聞いていた音楽をそれで聴くと今でも、カセットテープで聞いていた時の事を思い出すし、A面からB面へ変わるタイミングではたまに構えてしまいます。なんとなく懐かしく喪失感が生まれる瞬間でもあるんです。

人でもそう。完璧な人よりも、何かしら愛おしいと思う部分がある人の方がモテたりする。それを計算した時点でアウトだから商品としてそういうのを作れるかは分からないけども、人の心に刺さる「何か」を見つけられたら素敵だなーって思ってました。

愛着、になるのかな。おもてなしってのはまた違うけどもモノと人との間に魂を感じられるような商品、そんなの出来てほしいものですな。。。

ただまだまだ、ユーザビリティの面でもUX の面でも分からない事、成し遂げられていない事は沢山。そんな時代はもうすこし先ですね。

読んでいただきありがとうございます^^
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2011/09/27

Wright and Maccarthyのフレームワーク, User Experience、ユーザエクスペリエンス について語る


今日のテーマはユーザーエクスペリエンス。

とりあえず、Wright と Maccarthy の書いた有名なペーパーを読んでアウトプットをまとめます。

ちなみに以下の
アフェクティブ・クォリティ—感情経験を提供する商品・サービス (JSQC選書)
に分かりやすくrefer されているのでそれを若干参考にもしています。

なんか今、ユーザーエクスペリエンスについて語れる人になろうとしているのですよ...まずは手始めに。。。


彼らはフレームワークを作成しました。Experience を4つのスレッドと6つのフェーズに分類したのです。

まず、The four threads of experienceという4つのthreads についてです。
thread をどう日本語訳していいのか今の段階では分からないのですが、プログラムとかする人にはなじみのあるかもしれないいわゆるスレッドと見て良いでしょう。4つ独立に経験するのでなく、それらが経験というものの中に全て横たわっているイメージ。

1. The compositional thread
Compositional は調べると、合成の、とか組成のとかって意味ですね。

文中には
the compositional structure of an experience is that aspect which is concerned with part-whole structure of an exprerience
〜〜
If you are asking questions like; "what is this about?" , "what has happened?", "what will happen next?", "does this make sense?", " I wonder what would happen if?" then you are thinking about the compositional structure of experience
とあるので直訳すると
合成構造の経験とは経験の部分全体の構造を考慮した側面の事である・・・??
これは何だ?、とか何が起こったんだ?何が起きるんだ?これは正しいのか?もし〜したら何が起こるんだ?とかいろいろ考えているとしたら貴方はCompostional Experience について考えています。

笑 何じゃそりゃw なにやら英語だけからだと意味とるの難しいよなー・・・

ここの訳は難しかったのでアフェクティブクオリティとかの言葉を使わせていただきます。
起こった出来事の理論的、合理的な理解や判断に基づく経験である。例えば経済的に価値のあるものか、やりたい事が効率的に行えたか、あるいは使いやすかったかなどはこのスレッドであり・・・
ほうほう。。。なるほど。つまり繰り返すと、理論的、合理的な理解や判断に基づく経験、という事ですね。最高の品質と言わないまでも、とても安い値段で買った椅子に満足している時とかに、「この値段でこれはいいな」と感じる満足等はここに入るのかもしれません。

2. The sensual thread

The "look and feel" of a physical artefact or a web page are part of what we refer to as the sensual thread of experience. More generally, the sensual thread of experience is concerned with our sensory engagement with a situation. The sensations in an experience which we variously term thrill, fear, excitement are sensual...
The look and feel of a mobile phone may be as important a determinant of our decision to become (or not to become) a mobile phone user as the functional possibilities it offers.

直訳すると
モノの見た目や触り心地やウェブページはSensual Thread of Experience と呼んでいるものの一部です。もっと一般的に言えばSensual thread of experience は私たちのシチュエーションに対する感覚的な没頭を考えたものです。スリル、恐れ、興奮など・・・
携帯電話の見た目や触り心地は使うか使わないかの意思決定する上で機能などと同じくらい重要である事も考えられるでしょう。
とあります。要は本能的に美しいとか心地よいとか恐ろしいとか本能レベルの処理が入る、もしくは五感を用いて体験する Experience のスレッドの事です。

3. The Emotional Thread

The emotional thread of experience includes anger, joy, disappointment, frustration, desperation and so on.
ってここだけでも十分かなと
The Emotional Thread of Experience は怒り、楽しみ、失望、イライラ、絶望などを含むThread の事です。
ここで若干感じるのが2 との違いかも知れませんね。恐ろしいとか他の感情ってどう違うんだ、と・・・アフェクティブクオリティでは、Norman の情報処理プロセスに分けて考えていました。これについてはいつか記載しようと思いますが、要は五感を使って感じたものとそう出ないもの、とでも言うのでしょうか?使っていて、自分の頭の中で考えてイライラが出てくるのと、商品を見た時にかっこいいとか、触った時に気持ちいいと思う感覚ってのは若干違うと思うんですよ。その違いです。
それらの違いを踏まえた上で、経験の中に怒りや楽しみのような感情があるときそれはEmotional Thread と言えるでしょう

4. The Spatio-temporal Thread

All experience has a spatio-temporal thread. Actions and events unfold in a particular time and place. when we are rushed we may feel frustrated and perceive space as confined, closeting. In addition, emotional engagement can make our sense of time change, hours can fly by in minutes. 
直訳は
全てのExperience はSpatio-Temporal Thread を持つ。行動やイベントは特定の時間、場所で展開される。急いでいる時はイライラを感じ、スペースが狭いと感じます。また気持ちの入れようで時間の受け取り方はいかようにも変わります。何時間もがまるで何分かのように感じられる事もあるでしょう
 とあるように、このスレッドは時間や場所について感じるような経験
アフェクティブクオリティの例では夜車を運転し、好きな音楽を掛けながら心地よいドライブを楽しんでいる時に時間を忘れて楽しみに没頭していたとしたらそれはSpatio-Temporal Thread を経験している事かもしれません、と書かれています。

以上が4つのスレッドです。
Compositional, Sensual, Emotional, Spatio-temporal

そして次に、6つのフェーズについて紹介したいと思います。
6つのフェーズは以下のように分かれています。
訳語は本を参考にしています。

1. Anticipating
商品、サービスとまだ直接接触していない段階。

2. Connecting
最初に接触した段階、第一印象を決定づけるのはこの段階

3. Interpreting
解釈する段階。あ、この商品こうなっているのね、とか・・・


4. Reflecting
もうすこし深く考えた際の評価。いい車だな、とか

5. Appropriating
自分への適応。これはいいけど・・・自分には合わない、とか・・・

6. Recounting
 人に広めてあげよう、とかそういう段階はここです。

以上の事をまとめると、UX とかいろいろ言っても1個じゃなく、表にするとこんなに沢山ケアするところがあるのですよね。。。






以上が wright と maccarthy のいうユーザーエクスペリエンスです。

なんでこれをrespect するなら、俺エクスペリエンス気にしてもの作った!

とか言った時に、このフレームワークに当てはめる事でどこをケアして、どこをケアしていなかったかが分かるようになるかもしれません。。。

ちなみに参考図書



勝手に使っちゃって申し訳ありません。

----追記-----
the compositional thread の所なのですが、研究室の人と話していたときに別のわかりやすい捉え方もあったので紹介します。
ようは部分だけでなく全体を見る、という事。
レストランの中のデコレーションは、その食事を美味しく感じさせるかもしれません。それはデコレーションだけの評価でも、食事だけの評価でも成し得ない経験だと言うことです。
たとえば商品の段階まで落としこむと、経験とは違うかもしれませんが似た考え方ができそうです。
グラスとかをお店で見たときにカラフルでおしゃれだな、と思って私は購入したことがあります。高かったので1つだけ。
でも家に帰ってそれを見ると、あれ?って感じでした。
店の中に置いてある他の商品との調和、もしくは他の色のバリエーションの中に存在することでその商品はよい経験を私に提供してくれていましたが、それがひとつになった瞬間に、僕を満たすものではないとわかりました。

なんとなく、こんな感じで伝わるでしょうか?
ただこれだと最初に説明した説明とはかなり違ってしまう気もするのですが、つまり部分だけでなく全体を考慮した経験である、と言えると思います。

読んでいただきありがとうございます^^
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