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2011/07/09

ユーザーインタビューとその限界

ユーザーインタビュー・・・ME310の中でそれらは何に使われていたか?
それは時にユーザーについて学ぶ事であり、それは時にペルソナを作るための過程であったり、様々な用途に使われユーザーを理解するのにとても役に立つ。
まーとにかく、ユーザーにインタビューすることは何らかのプロジェクトをデザイン的なアプローチのもと進めていくには必要不可欠だと思うんですよ。
これと微妙に似て非なるものが「アンケート」これについてはどっかで書こうかな・・・って感じです。ただたいしたトピックにはならないです。用はexplore な感じがインタビューanalyze な感じがアンケート。自分から新しいトピックを作り出すためにアンケートは用いられないし、「何割の人がこういっているからこれはだめだ」という考え方はあまりにデザインとかけ離れていると自分はとらえる

そんなインタビューも私の考えからすれば限界があるのですよ。
僕らのチームの行ったインタビューにはいくつか種類があった
1. ノーマルユーザーインタビュー
2. エキスパートインタビュー
3. エクストリームユーザーインタビュー

結構聞かれる事があったのでそれぞれの言葉の説明
ノーマルユーザー: 普通のユーザー。トピックを考える上で真っ先に上がるような人のこと
エキスパート: その道のエキスパート。専門家。
エクストリームユーザー: 専門家と勘違いしてしまう人がいるかもしれないけどこれはあくまでユーザー。その分野で特殊だと思われるユーザーの事
具体的な例を示すと・・・たとえばトピックが空港だとして
ノーマルユーザーは自分とか他のごくふつーーーーーに空港使う人
エキスパートは空港で働いている人とか、空港立てた人とか、航空を専門に勉強している人とか
エクストリームユーザーはたとえば月に50回くらい空港を使う人であったり、空港なんてぜっっっったいに使いたくないと考える人であったり、飛行機の種類とか全部言えるような人だったり、何十カ国も飛行機で旅しているような人であったり

それらのインタビューで得られるものはもちろん違う。
1 のノーマルユーザーへのインタビューは、そのトピックに対してどのような考えをもってどのような態度をとっているか、について聞く。ある程度クラスター化(グループ化)出来るくらいたくさんの人に聞くのが望ましい。またそのトピックに対する問題点等を発見出来る

2. のエキスパートインタビューは例えばどのようなところでどんなテクノロジーがあるか、やそこにどのような問題があるか、 今何が行われていて何が行われていないのか、それらを把握するのにはもってこい。また専門家ならではの視点から様々な知見を得る事が出来る。

3. のエクストリームユーザーは専門家とはまた違う、またノーマルユーザーからは得る事の出来ない、もしくはノーマルユーザーの気付かない問題点を発見するのに役に立つ。自分の知らない知識とかエキスパートとはまた違う視点を持っていることが多い

これら全てのユーザーインタビューはそれぞれ等しく価値がある。
ただ強いて言うなら、インタビューは現状を理解する上でもっとも役に立つもの。
ここから問題点を発見するのは案外難しい

とくにノーマルユーザーから聞いた話から問題が見つかっただけで喜んでいてはもーだめなのである。インタビューで聞ける内容は、個人が頭で意識している内容のみであるからだ。(もちろんインタビューを上手く行えばそれを引き出す事も出来るのかもしれないが自分には出来なかった)

問題ってのはいろいろある。その中で個人が、特にノーマルユーザーが把握している内容等価値はほぼないに等しいと言っても良い。ここでの価値とは経済的な価値である。もちろんプロジェクトを進めるにあたってそれらの問題を頭に入れておく事は非常に重要。ただそのくらいの表面をなぞっただけの問題点など誰もが気付いている事なのだ。

エキスパートとのインタビューは個人的な見解では「社会的プロブレム」(社会的プロブレムと個人的プロブレム〜デザインは人のニーズを満たして然るべき〜 参照)やその分野の会社の抱える問題点を発見するのには役に立つがエキスパートはあくまでエキスパートであり、ユーザーではない事に注意しなくてはならない。そこからユーザー起因の問題を発見する事は若干難しい

上の2点とは違い、個人的にはエクストリームユーザーへのインタビューはおもしろい問題を発見するためには非常に役に立つと思う。たくさん使うからこそわかる問題、いろいろ知っているからこそ分かる問題、まったく使わないから感じている恐怖などノーマルユーザーの気付かない、つまり世の中の90%の人は気付いていないような問題点をかれらは頭で知っているのだ。
ただそれでもやはり頭で意識している内容のみしか聞き出す事が出来ないので自分でも気付いていないような問題、インサイトは得る事は難しくなっていることが多い。


と、ちょっと強めにいってしまったのだが、プロジェクトの進め方はもちろんいろいろある。ある程度明白な問題をすばらしいソリューションを用いて解く、これもイノベーティブになる可能性はある。そして誰もが見つけられなかった問題を解く、これもイノベーティブにはなりうる。ただもしも後者の形でプロジェクトを進めたいのであれば、ユーザーインタビューよりも個人的にはインタビューに加えて、「観察」を行うべきだと思う。

観察の仕方はそれぞれ。ビデオをとって人を観察しても良い。自分自身がユーザーになってみるのも良い。写真をとってその写真をみてあれこれ言い合うのも良い。共通なのは要は、現場に行けという事。
たとえば下の写真は自分が旅行しているときに見つけたブロブレム。おそらくインタビューからではえる事が出来ないものである。



問題?って感じかもしれないけど8割がたの子連れの家族はこのように家族を引いている。まぁいいけどさ、この空港の荷物運ぶやつをデザインするのもある意味チャレンジであり面白そうだと個人的には思っている。(ちなみにアイディアブログの方にその問題をとくアイディアを出しました)

最後までおつきあいありがとうございます、といいたい所なのですがもう一言付け加えておきます。
「有言実行」という言葉がいつしかかっこ良く見えてしまうほど、いった事を実行するのは難しい。たとえばリサイクルについて人にインタビューしたとする。そしたらその人は100点満点の答えを出すだろう。ただ実際は?と聞かれたらそれを実行している人は滅多にいない。車を運転しているときに自分が一番不安なシチュエーションは?と聞いたときに携帯を打ちながら運転している時、とは誰も答えないと思う。事故の何割かはそれが起因しているにも関わらず。むしろそのくらい運転に慣れた人ならどこにも不安はないと答えるのが普通なのだ。

インタビューはもちろん強力なツールである。しかしよりよいインサイトを得るためにはインタビューだけでは物足りない。観察とインタビューとを混ぜてこそ、良い物が生まれると私は考える。

(この記事は [KNLog: ME310 を通じて自分なりのまとめ] の中の1記事です)

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