モックアップとプロトタイプはどう違うのだろう?
以前プロトタイプは状況に応じて時にラフに、時に詳細に、でも書いたように
プロトタイプを作る目的は
[to answer the question]、「疑問に答える事」
である。
だから何かしら疑問を持った際にその疑問のみに答えられるような必要最低限のプロトタイプを用意すれば、それは「良いプロトタイプ」なのである。
今この記事を書いていて思ったのだが、「モックアップ」について自分自身で意見を述べられるほど頭の中に入っていなかったので多少引用させていただきます。
知恵蔵2011の解説
直訳すると「模型」。プロダクトデザインなどにおいて、外観デザインの試作・検討レベルで用いられる模型をいう。従来は木製のものが一般的であったが、現在は合成樹脂製がほとんど。木製のものは、「木型」とよばれ、商品の大きさや色・質感などや、製造のための「原型」としても使用された。家電製品をはじめ自動車、航空機など、精密さを要する製品デザインに、モックアップは不可欠なものである。現在はCAD/CAMの普及によって職人による手加工から、図面データによる自動切削加工によって製作されるようになった。 なお、デザインの進捗(しんちょく)段階に呼応し、さまざまな呼称がある。初期段階=スタディー・モデル、外観デザイン検討段階=プレゼンテーション・モデル、内部機構検討段階=ワーキング・モデルまたはプロトタイプ・モデルなど。
(モックアップ とは - コトバンク http://kotobank.jp/word/%E3%83%A2%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97)
一応頭にこのようなものがモックアップ、とはあるのですが多少の誤解があるかもしれません。「モックアップとプロトタイプ」について自分なりの考えを述べていきます。
ある意味モックアップもプロトタイプの一つになりうると思う。ただ必ずしもそうとは言えない。
たとえば新しい傘を作るっていうプロジェクトがあったとして。
そのコンセプトを「相合い傘しやすいように傘作ろう」 ってなったとする
(ちなみにこれは僕が友達と東工大の授業のプロダクトデザインという授業でセットした題)
その新しい傘ってのは、いろーーんな要因を含んでいる。
サイズであったり、形であったり、重さであったり、色であったり、音であったり。
プロトタイプってのはたとえば
「サイズはどのサイズがベストなの?」
「どんな形がふさわしい?」
「どんな重さまでが許容範囲?」
とかとかそういった疑問を解くために作られるべき。
一方モックアップは、ある程度イメージ出来るファイナルプロダクトの形を作ってみる感じ。ここで言うとこれら全部の要因を含むもの。たとえばそれでもテスト出来るよーっていって、いくつかのモックアップを作ってテストするとする。ある意味それもプロトタイプなのかもしれないけど、多分そのプロトタイプで重要なインサイト(洞察)を期待する事は出来ない。なぜならそこでの疑問は「どのモックアップが一番いい?」というような抽象的であまり良くない疑問であり、(正しい疑問を持てば正しいプロトタイプは見えてくる 参照)あまりに詳細に作られているが故に、フィードバック自体も詳細になりすぎて自分の本当に試したい事に対する意見を貰えなくなってしまうのだ(プロトタイプは状況に応じて時にラフに、時に詳細に 参照)
さらにモックアップは時間がかかる。そしてコストもかかる。そのモックアップが受け入れられなかった場合にショックはなかなか大きく、その失敗はにわかには受け入れがたい・・・と思う。
ただモックアップが悪いと言っている訳ではない。モックアップを作る事でユーザーはたとえばその商品なり経験をより鮮明にイメージする事が出来る。それを使ってたとえばインタビューをする、物理的な大きさ等の確認をする、詳細部分を確認する、プレゼンする、などそれによってしか出来ない事もたくさんあるのだ。モックアップとはもう少しあとのフェーズに出てくるべきものの様に思われる。
注意すべきところはデザインプロセスの中で多くの場合に「曖昧さ」と戦う時期がある。そんな場合にタンジブルな自分の考えに近いモックアップを自分の横においておく事は精神衛生上落ち着けることが多い。一刻もはやくファイナルプロダクトを見たいし、そもそも作れるのか不安だし、おもしろいアイディアだから早く具現化したいし、みたいなどっちかというとプロトタイプ作りたい欲よりもモックアップ作りたい欲のほうがプロセスに居る間は強いのだ。
ただそこをぐっとこらえて、正しい疑問をもち、正しいプロトタイプを作る事。それが重要だと思う訳なのですよ。
(この記事は [KNLog: ME310 を通じて自分なりのまとめ] の中の1記事です)
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